『変彩のソテイラ』ライナーノーツ⑤
- 鈴木デコ
- 1月25日
- 読了時間: 4分
ライナーノーツ9~10曲目、今回がラスト。
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9曲目:正義を掲げし魔王
覚醒したニクスが貴石の力をふるいまくっている楽曲。
貴石の子らの犠牲によって成り立っていた王政が
ニクスの手によって儚く崩れていく。
圧倒的な力を前に、貴石の子らは沸き立つのだ。
これこそが正義なのだと。
そうして正義の名を与えられた力に溺れ、
知らぬ内に同じ穴のムジナと化すのである。
冒頭は貴石の子らの熱狂的なコーラスで幕開け。
そこから押し上げられるようにニクスが出てきて、
強い意志を奏でるソロパートとなる。
場面転換を再度コーラスに託し、
ニクスが虐げる側になってしまったことを突き付ける。
もう後には戻れないことを知るニクス。
後悔をつぶやくその弱みを突いて、
心の奥底にしまわれていたソテイラが復活。
ハイトーンの「おやすみ」で、
ニクスの幕引きと全ての感情の終焉を告げる。
今回のアルバムはミュージカル要素を出さない方針だったが、
最高にドラマチックな楽曲にしてもらったので
この曲だけはミュージカル的な要素を盛り込んだ
歌詞/コーラス演出になるよう意識した。
尚、自分は「正義」など幻想だと思っている。
あるのは「自分が良しとするか否か」のみ。
立場、状況、時世、様々なパラメータによって
正義像など容易に歪んでしまう。
それにもかかわらず正義の名のもとに振りかざす力の
なんと危ういことだろうか。
昨今のSNSはそういう光景に溢れてしまっていて
少し足が遠のいてしまう。
そう言いながらも結局宣伝媒体としてお世話になり続けている、
そんな自分こそ同じ穴のムジナなのだろう。
hidekazu氏のライナーノーツはこちら!
魔王、つまりニクスなので、彼のテーマ曲を入れ込むかと思いきやソテイラのテーマのサビをアレンジした形から始まります。 後にも要所でソテイラのテーマが顔を出し、ニクスの中にソテイラがいて、訴えかけるようなイメージです。
NiksはFm、SoteiraはGmの楽曲なのですが お互いを認識したあとのこの曲なので、 間を取ったF#mにしています。 Chorusワークは、元メロディだけ渡してデコネキにお任せしていたのですが、ラストに登場する高音はデコネキが追加したフレーズで、まさにソテイラの悲鳴のようです。
感覚人間ワイ、この曲は〇短調にしようとか考えたことがないので
こういう解釈の仕方をしてもらえるのが目からうろこだった。
企画書やストーリーからこれだけ正解ど真ん中を貫く楽曲を描くhidekazu氏。
心底尊敬している。
10曲目:石語りのフォークロア
石の民たちが滅んで幾星霜。
美しく光る彼らの傍らで、
語りべがその教訓を歌い継いでいる。
そんなイメージ。
綺麗な光景ではあるんだけど、悲哀を感じる場所でもある。
その絶妙なバランスをうまくオケに落とし込んでくれて
やはりhidekazu氏は解釈と落とし込みの天才だなと思った。
コーラスやサビ部分についてはある程度指定があったのだが、
全面的に好き勝手変えさせてもらった。
信頼し合っている同士じゃなかったら多分しこたま怒られていたと思う。
ほんまごめんやで。
4声が絡むコーラス冒頭部分はちょっとだけ付け足し。
サビは完全に書き換えて1曲目と同じフレーズに。
過去を語ることで彼らの生きていた姿が甦るような、
そんな雰囲気になっていると嬉しい。
1曲目のラストで「貴石の子」と呟きながら消えていくコーラス、
そこと対になる10曲目のラストでは重たい問いを突き付けている。
振り上げた拳は正義なのか。
答えは無い。
それは常に自問し続けなければならない、可変的なものなのだから。
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物語を締める最後の曲は、TR01のリプライズ的なChorus曲ということで、展開はTR01を大筋で踏襲しつつ、亡国なってしまった物悲しさや少し暗い雰囲気を付加しています。
また、お互いをまだ認識していない状況を想定して書いたTR01が7/4拍子で、割り切れないことによるちょっとした引っ掛かりを作っていましたが、 本曲ではお互いを認識しそれぞれを想って行動したことから、すっきり割り切れる4/4拍子とし、拍をたっぷり取ったフレーズにしています。
ラスト直前のインパクトに、コッ…というようなpluckを入れ、石となったソテイラの瞳がまるで生きているように一瞬煌めく…みたいなイメージを表現しています。

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