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『変彩のソテイラ』ライナーノーツ①
今回のアルバム、ストーリーは存在しているが決してミュージカルではない。 歌詞も含めて多くを語り過ぎていないので 色んな解釈をしてもらって良いし、 色んな妄想をしてもらって良いと思っている。 とはいえ、ライナーノーツ読むの大好き人間なので 「いち解釈としてこういうのもあるよ」という程度に 制作当時を振り返りながら少しずつ書いておこうと思う。 ネタバレ厳禁勢はぜひ本編聴いた後でどうぞ。 1曲目:貴石の子 5月に企画書とストーリーを書き上げた後、 6月にはほぼオケができていた記念すべき1曲目。 hidekazu氏はいつもデモの時点でほぼ完成形が見えている。 筆が速すぎて毎度驚愕だが、 この世界の美しさと不条理が凝縮された解釈も素晴らしい。 タイトルの『貴石の子』も、 デモの時点で既に付けてくれていたもので、 「これしかないだろう」ということでそのまま採用。 歌詞は国民目線で、 彼らの貴石の子らに向けた常識をありのまま綴った。 輝かしい能力を称えつつ、 それを国や民が栄えるために消費することが当たり前の人々。 歪な様子をマスキングするように、...
鈴木デコ
19 時間前読了時間: 4分


『変彩のソテイラ』アルバムのつくり方
「新譜つーくろ!」となったとき、色々なアプローチがあると思う。 良い感じのメロディが降りてきたとき。 良い歌詞が思い付いたとき。 自分は「ストーリーありき」のことが多い。 ストーリーの無い曲にも後から付け足すくらいにはストーリー欲しいタイプ。 表に出しているものとそうでないものがあるが、 関わっている楽曲は裏に何かしらの物語を背負っている。 それは今回も変わらない。 特設サイトのストーリーも併せて楽しんでいただけると嬉しい。 一応ネタバレNG派のために特設の一番下に配置してある…地味な配慮。 一方、今回タッグを組んだhidekazu氏はどちらかというと逆で、 設定やお話を土台にして音楽へと落とし込むのが得意なタイプだと思っている。 この解釈が本当に素晴らしくて、いつも解像度の高い音楽を仕上げてくるので舌を巻くしかないのだが 今回はコライト企画。 彼の得意なところと、こちらの得意な設定創作/メロディ作成/コーラスアレンジ。 イイ感じに組み合わさったら楽しいよね?? ということで各曲以下の流れで作っている。 ①デコ氏、ストーリーのシーン切り取り(ここ
鈴木デコ
11月6日読了時間: 2分


『変彩のソテイラ』そもそもの話
2025年秋M3も無事閉会。 みなさまお疲れさまでした。 朝から雨だったり、電車が乱れたり。 波乱の幕開けだったにも関わらず、 ふたを開けてみれば前回よりも混んでた…? 少なくとも電波は更に入らなくなっていた。 そんなしっちゃかめっちゃかの中、 たくさんの方にお越しいただき感謝の念に堪えない。 直前まで全然詳細が出せず不安ではあったが、 手に取っていただく度に 「間に合って良かった~~~~~!!!」と安堵した。 本当に良かった。 色々な方とコライトしてみたいということで始めた本企画、 音楽的鉱石標本/Arca Harmonite。 第2弾をやりたいなというのは前作『ONE to SEVEN』直後に決意していた。 なんだったら次はアレキサンドライトがテーマというのも決めていた。 アレキサンドライトは6月の誕生石。 ひとつの石にフォーカスするならまずは自分の誕生石が良い。 企画書を練り練りしてはいたものの、 お声がけしようと思っていた方がご家庭の事情で難しくなってしまったり、 『NENIA』、『破浪の騎士と涕涙の友』の制作が本当に大変だったので、 一
鈴木デコ
11月3日読了時間: 2分


『NENIA』そもそも裏話
新譜『NENIA』、今秋のM3にて満を持しての頒布。 これもひとえに興味を持ってくださる皆々様のお蔭様… 本当にありがとうございます。 架空のミュージカルのサントラという ちょっと取っつきにくい上に重めの作品ではあるものの、 約40分間の“上演時間”を楽しんでいただけたなら 冥利に尽きるというものである。 さて、振り返ってみれば5年以上も前、 エレコでこの作品を出そうと決めていた。 最初から何か人外をやりたいと思っていて デコ「じゃあワイは草人やるね…」 メル「草人www」 みたいなやりとりをした挙句、 ツボにハマりすぎて電車を乗り過ごしたりした。 哀れ。 その後、本格的に作品テーマとしてまとめるにあたり、 「鳥人たちと機械の鳥人たちの全面戦争」 という設定を思いつく。 さすがに壮大過ぎる…。 ここにミュージカル要素を織り交ぜることとなり、 実演可能なレベルまで落とし込んだ結果、 最終的に今の設定ができあがったのだ。 ちなみに、ミュージカルの方向性を推してくれたのは 相方の白月メルである。 我々の声に合ったコンテンツであり、 ライブ会場で差別化を
鈴木デコ
2024年12月5日読了時間: 2分


『ONE to SEVEN』⑨7拍子:SEVEN
全てはここから始まった 7拍子、作りたいな。 そう思うこと、ありますよね? そこで浮かんだメロディと歌詞がこちら。 は??? 捻りも何にもない。 我ながら、どストレートが過ぎると思う。 でも直球だし、わかりやすくて良いかなと わりと気に入ってそのまま採用。...
鈴木デコ
2024年5月19日読了時間: 2分


『ONE to SEVEN』⑧6拍子:Role-Playing Life
人生は難しい もう40年近く人の生を歩んでいる訳だが、 未だに惑ってばかりである。 不惑になれる気がしない。 「自分は自分、それ以上でもそれ以下でもない」 そう思えるようになったのもつい最近で、 それでも社会的に与えられる役割に対して 違和感を覚えながら演じ続けている。...
鈴木デコ
2024年5月17日読了時間: 3分


『ONE to SEVEN』⑦5拍子:Balker
お巡りさん、この人です ここまで書いてきて思い出したことがある。 元々今作の構想を練っていたときは 1拍子から7拍子までの全7曲を想定していた。 ところが並行して作っていたとある案件で、 hidekazu氏に編曲いただいた楽曲が天才過ぎて、...
鈴木デコ
2024年5月11日読了時間: 3分


『ONE to SEVEN』⑥4拍子:i
音楽の原体験 ここを読んでくださっているのは 何かしらの形で音楽に関わっている、 もしくは音楽が好きな方だと思うのだが、 皆様の音楽における原体験は何だろうか。 自分の場合は3つ、明確に応えられる。 敬称略。 ・YELLOW MAGIC OHCHESTRA ・スペクトラム...
鈴木デコ
2024年5月8日読了時間: 3分


『ONE to SEVEN』⑤3拍子:Moon
楽曲モチーフ 企画書に記載していたのはこちら。 3/4拍子 紫(アメシスト、モルガナイト) イメージ:高貴、愛情、優美 ジャンル:Jazz そう、Jazz。 しかもJazz waltz。 いいよねJazz waltz。 あまりJazzのイメージを持たれていない...
鈴木デコ
2024年5月8日読了時間: 3分


『ONE to SEVEN』④2拍子:On Your Side
当て書き、それは恋文である 2拍子から6拍子の楽曲はコラボ楽曲。 前述の通り、ワンコーラスデモを作成して 各編曲者様にお渡ししているわけだが、 前もってジャンルとお相手は決めていた。 全員から企画内容の合意をいただいた上で こちらの制作が走り始めている。...
鈴木デコ
2024年5月5日読了時間: 3分


『ONE to SEVEN』③1拍子:one by one
楽曲モチーフ 当時の企画書には以下のように記載していた。 1/4拍子 無色透明(水晶、ムーンクォーツ) イメージ:無色透明、調和、神秘、浄化 ジャンル:ひたすら単音、効果音、語り 色々なジャンルをやりたかったこともあり、 1曲目は何にも偏らない曲に仕上げたかったのだ。...
鈴木デコ
2024年5月3日読了時間: 2分


『ONE to SEVEN』②ジャケット
退かぬ!媚びぬ!顧みぬ! 「鉱石標本箱」を分かりやすく伝える、 そのためには標本箱そのものを描いてもらうのが一番だ。 よし、標本箱描いてもらおう。 可愛い女の子? いません。 壮大なファンタジー感? ありません。 ジャケ買いのフラグをことごとくへし折る、...
鈴木デコ
2024年5月2日読了時間: 2分


『ONE to SEVEN』①そもそもの話
M3春、閉幕 M3春2024、リアル会場が無事閉幕。 ご参加されたみなさま、お疲れさまでした。 今回はここ最近無かった青天に恵まれ、 来場者数も大きく増えたように感じたが 実際どうだったのだろう。 新譜はじめました 今回は個人的チャレンジ回。 個人企画をぶち上げ、...
鈴木デコ
2024年5月1日読了時間: 2分
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